『ザ・ボーイズ』完結

AmazonPrime配信のドラマシリーズが最終シーズンが大団円を迎えた。

シリーズ終盤は、スーパーヒーローを現実世界の権力の象徴として描く、より普遍的な風刺劇ではなく、ホームランダー=トランプとして現在のアメリカの政治状況を直接的に風刺する要素が強くなってた。しかも現実のトランプのむちゃくちゃさにドラマの内容が追い越されてしまうということも起こっていた。

劇中でも言われていたけど、ホームランダーを倒しても今度は資本主義の論理が取って代わるだけだし、ホームランダーをぶち殺して反トランプ派の溜飲が下がったとしても、トランプ派の人々には響かず、分断された政治状況にはほとんど影響がないだろう。超人としてのホームランダーそのものではなく、ホームランダー的な思想そのものと対決するようなドラマにしたほうが哲学的には意義深いものになっていたかもしれない。

しかし、ホームランダーにはあのような最期しかなかったのは確かだ。

寛容のパラドックスという言葉がある。あらゆる考え、思想に寛容でいることはできない。寛容さそのものを否定する思想は受け入れるわけにはいかない。ホームランダーが自分を神だと宣言し全人類を恐怖で支配しようとしなくても、ジェット機の乗客を皆殺しにした時から、ホームランダーが生き残る余地はなかった。

それに、現実がほんとにめちゃくちゃすぎるので、たとえフィクションの中だけでも、ホームランダーがぶち殺されてくたばるのを見るのは大きなカタルシスがあった。

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