『プルリブス』シーズン1感想

『ブレイキング・バッド』、『ベター・コール・ソール』のショーランナー、ヴィンス・ギリガンによるドラマシリーズ。Apple TV+にて配信。主演は『ベター・コール・ソール』で主役の1人を演じたレイ・シーホーン。

侵略ものSFなのだが、侵略者との戦いやサバイバルという展開にならないのが新鮮で、他者、個人であるとはどのようなことか、コミュニケーションの難しさというテーマの哲学的おもしろさもある。

ある日、主人公のキャロル以外の人類の意識が乗っ取られ、しかも全員が意識を共有しているらしい。普通のエイリアン侵略ものなら、主人公は”彼ら”の侵略攻撃から逃げながら世界を救う闘いが始まるところなのだが、今作の侵略者には悪意がない。”彼ら”は平和主義者で、植物や動物を殺すこともできないし、ひたすらキャロルが快適に過ごせるように願っている。

戦争はなくなるし、犯罪もゼロ、全員が平等で差別も貧困もない。キャロル以外にも意識を乗っ取られなかった人間が世界に11人いるのだが、1人を除いて、”世界を救う”ような危機感がない。しかもキャロルは気難しくてキレやすく、たった11人だけ残った彼らともうまくつきあうことができない。ここでもお約束の展開が裏切られる。

ある出来事をきっかけに、神のようにキャロルの要望をすべて叶えようとしてくれる”彼ら”ともキャロルは距離を置かれ、孤独な生活を送るようになる。食料は”彼ら”が用意してくれるから、サバイバルの必要のない『地球最後の男(アイ・アム・レジェンド)』のような生活。しかしキャロルは孤独に耐えられなくなる。

キャロル以外の11人のうち、1人だけ”彼ら”と戦おうという意思のある人物がいるのだが、ようやく2人が出会ってもお互いの意固地さのせいですんなり共闘できないところも、コミュニケーションのやっかいさを描いていておもしろい。

シーズン1は”彼ら”と戦うという方向性がやっと見えたところで終わる。シーズン2が待ち遠しい。

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