読書 男社会がいかに女性にとって(男性にとっても)有害なものになるか/『DUCKS(ダックス)仕事って何? お金? やりがい?』感想と意見 学生ローン返済のためオイルサンド採掘現場に飛びこんだ著者の自伝的グラフィックノベル。副題はまるでビジネス系の自己啓発書みたいだが、産業構造の変化によって衰退していく地方社会、男社会で女性がいかに過酷な体験をさせられるか、大企業による環境破壊... 2025.04.06 読書
読書 「金がすべて」「経済がすべて」でいいのか?/『オタク文化とフェミニズム』感想 本書のタイトルから想像していたのは、フェミニズムの視点から男性文化を斬りまくるというものだったけど、想像とは違って、オタク女性である著者自身の視点から、「2.5次元」や男性アイドルなど女性オタク文化について分析した論考がまとめられている(男... 2025.02.09 読書
読書 2024年読んだ本まとめ 今年ベストの読書体験は『ソーンダーズ先生の小説教室』。アメリカの作家であり大学で小説を教えるジョージ・ソーンダーズが、チェーホフやトルストイなどロシアの文豪たちの短編小説がまるごと収録されていて、それぞれの作品を1行単位、1ページ単位で精読... 2024.12.30 読書
映画 絶賛の声の多い『ロボット・ドリームズ』になぜもやもやしたのか言語化してみる 『ロボット・ドリームズ』はパブロ・ベルヘル監督によるアニメーション映画。2024年アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされた。孤独な犬とロボットの出会い、友情、別れを描いたストーリーだ。 細部までこだわった演出、なによりアース・... 2024.11.18 映画読書
読書 『男はクズと言ったら性差別になるのか』感想と考察 原題は"Arguing for a Better World How to Talk About the Issues About That Divide Us(よりよい世界のための議論 われわれを分断する問題についていかに語るか)"。 "... 2024.11.04 読書
読書 「自由意志」の「自由」とはどのような「自由」でなければならないか/李太喜『自由と自己の哲学』 「自由意志は存在するのか」という自由論について、選択ー非両立論という立場から論じられている。自由意志懐疑論者である私も日常生活では今晩なにを食べるかというようなことは"自由に"選択できると感じていて、「ほんとうのところ自由意志は存在してない... 2024.09.23 読書
読書 万華鏡のように乱反射する日本とアメリカのイメージを日系アメリカ人三世の目をとおして眺める/カレン・テイ・ヤマシタ『三世と多感』感想と考察 めちゃくちゃおもしろかった。 日系アメリカ人三世であるカレン・テイ・ヤマシタによる短編小説集。どの作品も日系アメリカ人であるとはどういうことかを描いた作品になっている。後半は『高慢と偏見』などで有名なジェイン・オースティンの作品世界をアメリ... 2024.06.02 読書
映画 苦痛の効用と、痛みと苦しみのアクション映画論/リー・カワート『なぜ人は自ら痛みを得ようとするのか』感想と考察 元バレリーナであり研究者としての経歴もある科学ジャーナリストでありマゾヒストを自認する著者による、痛みの生理学から主観的な痛みの現象学まで、苦痛について考察した本。 いきなり著者であるリー・カワート自身の濃厚なSMプレイの描写から始まるので... 2024.04.14 映画読書
映画 「男らしさ」はいいもの? 悪いもの?/ジョナサン・ゴットシャル『人はなぜ格闘に魅せられるのか』感想と考察 大学で英文学を教えている40代の著者が総合格闘技に挑戦して実際にリングに立ち対戦するまでのルポルタージュと、格闘技や暴力についてのエッセイ。 ボクシングなど1対1で対戦するスポーツの形式、ルールなどが決闘にルーツをもつこととか、総合格闘技の... 2024.04.14 映画読書
読書 次の災厄が起こる前に/ハリー・コリンズ『我々みんなが科学の専門家なのか?』感想 結論からいうと、イギリスの科学社会学者である著者は「我々みんなが科学の専門家ではない」と考えている。1960年代あたりから科学的なことも科学者だけに任せておけないという流れがおこった。しかし専門の領域から離れれば離れるほど議論は極端になって... 2024.03.07 読書