『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』観てきた。おもしろかった。
オリジナルの『ローズ家の戦争』もコミカルなところはあるんだけど、突然夫が離婚を告げられ理由がまったく理解できないというけっこうシリアスで、語り口も悲劇的な教訓話になっている。
リメイクのこちらは、「夫婦喧嘩の話でしょ」と思いながら観ててもなかなか喧嘩にならない。結婚して10年過ぎてもお互いを思いあい愛し合うすばらしい夫婦で、でもその愛情が作品全体を貫く背骨になってて、観客はだんだん険悪になっていく夫婦関係をじりじりと見守り、破局しそうになると仲直りすればいいのにと思いながら観ることになる。
オリジナルとは夫と妻の属性が逆転してて、ミラーリング効果で男女どちらも感情移入しやすくなってると思う。
同じ嵐が夫を社会的に破滅させ妻を大成功に導くという1幕目がすばらしいけど、最後のオチはなくてもよかったんじゃないか……でもそれだと締まらないか?
ロケーション、建築、料理、オリヴィア・コールマンとカンバーバッチの演技とセリフ(脚本が『哀れなるものたち』のトニー・マクナマラ)、どれもゴージャスで目においしい、豪華なスイーツみたいな映画だった。

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