アリ・アスターらしい強烈さ。いろんな意味でやばすぎる母親とか。めちゃくちゃになる人間ドラマの次元と、それを超越しすべてを裏側で操っている邪悪な存在という点では『ヘレディタリー』から『ミッドサマー』、『ボーはおそれている』と共通している。
一見リベラルでクリーンなんだけど大企業や権力者の代弁者でしかない市長(ペドロ・パスカル)がヒスパニックだったり、コロナ陰謀論者的で保安官としてはどうかしてるけど実際にコミュニティのことを心配しているホアキン・フェニックスとか、白人の特権を批判しながらそれを免罪符にしてるだけに見える白人活動家とか、ソーシャルメディア上だけでの政治活動の虚しさとか、政治ダークコメディ部分だけでもかなりおもしろいけど、アリ・アスター映画らしく最後は邪悪な存在に主人公が徹底的に打ちのめされる。勘違いする観客がいそうでいやだからいっちゃうけど、黒幕は自分たちがやってたことをアンティファやBLM活動家に見せかけてたんであってアンティファが黒幕だったってわけじゃない。
この映画から得られる教訓はなんだろうか。催眠術にかけられたみたいにすぐに忘れてしまいがちだけど、一握りの人間に大多数の人間が支配されているってことを忘れないようにしないとってことと、あとは、理性を失わないようにすることかな。


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