かなり長い詩。岩波文庫(酒本雅之訳)で140ページある。
スティーブン・キング原作の映画『サンキュー、チャック』を観たのがきっかけ。劇中で「ぼく自身の歌」が朗読されてて、その部分だけでも映画の内容とこの詩が密接に関係してるのはわかったけど、映画(と原作)は、「ぼく自身の歌」という詩をそのままSFにしたような作品だったことがわかる。
この詩の語り手(ホイットマン)は、百科辞書的に、アメリカ全土や世界の自然、宇宙、あらゆる職業の人々の暮らし、戦争、事故、植物、動物、石ころや土くれ、海の波、あらゆるものを称揚し言祝ぎ、あらゆる感情、快感だけでなく苦痛に触れ同化する。どんなささいなもののなかにも神が宿っているというアニミズム。善人も悪人も、生者も死者も、キリストのように愛すといいながら、自分はどんな神々や仏にも匹敵するという。自分自身が存在しなければ宇宙も存在しない。
そのようなありかたを文字どおり解釈するとしたら、この詩で描かれてるのは詩人あるいは小説家としての姿や想像力のありかたで、キングも自分自身をそこに見たのではないか。それを愚直にSF的に解釈したのが、キングの作品なのだと思う。

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