『テレビの中に入りたい』感想

いやー、痛くて切ない。うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと。中学生のころに「現実なんかよりこっちが大事だ」というものがあったという人は意外にけっこういるんじゃないだろうか。現実が辛すぎるから、あるいは単なる幼さのせい? で、そこから気づいたらあっという間に20代になり、一瞬で30代になり、40代になって「なんなんだこれは。これが現実か? 現実は”あっち側”のほうだったんじゃないか」となる。子ども部屋おじさんみたいな人だけじゃなく、もしかしたら結婚して子どもがいるような人とか意外と多くの人とこんな思いを共有してるのかも。映画は甘い幻想と切ない痛みをこちらに突きつけてくる。「これは現実じゃない」と信じてほんとにやばいことになっちゃう人はいるから、自分にとっての「ピンク・オペーク」がある人にとってはこれはとても危険な映画だ。

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