『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』

人類と超能力をもった存在が対立するというのは『X-メン』シリーズでも描かれてきたけど、本作の妖精たちはマイノリティ性というより完全に国家と対峙する存在。いま民族や国家の対立というテーマ以上に骨太なテーマがあるだろうか。タイトルにもあるとおり、共存という理想が掲げられるわけだけど、たんなる綺麗ごとじゃなく、対立や戦争に巻きこまれる犠牲者という残酷な現実が常に前提にされているのを感じた。最近のアニメぜんぜん観てないので比較できないけど、日常描写から全編にわたってぎゅんぎゅんに動きまくるバトルまで、世界トップレベルなのは間違いないだろう作画も素晴らしい。

人間たちは特殊能力は持たないけど、科学力で妖精たちを圧倒しつつあるし、作中で最強の力を持っているのは人間であるムゲンだ。秩序が最優先され、妖精たちは物分かりよく人類と融和しようとする。現代中国の政治状況を考えると、ちょっと気にはなる。

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