ろきせ

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読書

カーンはファウストでありメフィストフェレスである/『征服者カーン』読書メモ

MCUのマルチバース・サーガのラスボスであるカーンを主役にしたアメコミ作品。 科学が極度に発達し争いもない31世紀の世界に退屈していた青年ナサニエルはある日、カーンと名乗る人物に出会う。彼は未来の自分自身であり未来に起こる失敗を繰り返さない...
映画

退廃と美と永遠と/映画『バビロン』感想

『セッション』『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督最新作。 1920年代から50年代までのハリウッドを舞台に、サイレントからトーキーへの移行、映画スターの栄光と失墜、映画が作られる理由、映画が観られる理由、ハリウッドの光と闇を描く。...
映画

『バビロン』の予習で『雨に唄えば』を観た。

デイミアン・チャゼル監督の最新作『バビロン』は『雨に唄えば』を下敷きにしてると聞いて、予習しとこうと『雨に唄えば』観た。映画史に残る超有名作だからもちろんタイトルは知ってたし、雨の中をジーン・ケリーが歌い踊るシーンも観たことあったんだけど本...
読書

リーヴ・ストロームクヴィスト著、よこのなな訳『欲望の鏡』読書メモ

タイトルや表紙を見かけたことがあった気がするけどスルーしてた。こんなにおもしろい本だったとは。発売されたときに読んでないことを後悔した。 現代において美とは何か、そこに働く力学はなんなのか、多面的に考察するコミック・エッセイ。 たとえば最初...
読書

高野雅之『ロシア思想史 メシアニズムの系譜』読書メモ

ドストエフスキーが『作家の日記』で書いているとち狂ってるとしか思えない政治評論にびっくりして、いろいろ調べてるうちに見つけて読んだ。ロシア思想史において「メシアニズム」と呼べる考え方を持っていた思想家を、列伝体のかたちで一人ひとり論じている...
読書

老人を生に結びつける猫たち/斉藤なずな『ぼっち死の館』

ニュータウンにある古い団地を舞台にして、そこに住む老人たちを描く連作短編集。作者の分身と思しき主人公も猫を1頭飼っているし、主人公と仲良くなる隣人の女性も多頭飼いしている。団地の住人たちが野良猫に餌をあげたり気にかける描写も頻繁にある。おそ...
読書

ドストエフスキー『作家の日記6』読書メモ

『作家の日記』を読んできて思ったことは、ドストエフスキー作品の理解に『作家の日記』は欠かせないということ、ドストエフスキー自身の帝国主義的な考え方へのむかつきと、ロシア民衆ひいては人類が救われなければならないという切実で純粋だけど完全に非現...
映画

自分自身の狂気と愚かさと暴力によって不幸になる男たち『イニシェリン島の精霊』

『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督作。『スリー・ビルボード』は登場人物たちの激しい対立と人種差別・ヘイトの社会問題を描いた作品だったけど、今作でも二人の登場人物が激しくいがみあうことになる。 中年男と老人の子どもじみた対立、...
ゲーム

『イモータリティ』Netflix入ってたら無料でプレイ可能な、実写映像のみの『街』とか『428』みたいなアドベンチャーゲーム

イモータリティお蔵入りになった3本の映画のフッテージ、短いフィルムの断片を観ながら、映っている物をピンチアウトすると別の映像にリンクしていって、どんどん映像を見つけていって謎を解くというアドベンチャーゲーム。ゲーム性としては『弟切草』や『街...
映画

男らしさの呪いが生む悲劇『ノースマン 導かれし復讐者』

シェイクスピア『ハムレット』のもとになったデンマークの伝説をロバート・エガース監督が映画化。 エガース監督は『ウィッチ』でキリスト教道徳の外側にある世界を、『ライトハウス』でマッチョな男同士の対決を描いていたけど、本作ではその両方が含まれて...
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