ろきせ

スポンサーリンク
読書

自由意志の「自由」とはどのようなものでなくてはならないか/トーマス・ピンク『哲学がわかる 自由意志 (A VERY SHORT INTRODUCTION)』感想

著者は自由意志説者として「自由」の存在を擁護する。決定論と自由意志は両立しない、という非両立論の立場だ。 決定論と自由意志は両立するという両立論の立場も存在する。この本ではホッブズが代表として挙げられている。ホッブズによれば、あらゆる出来事...
読書

アングラ劇風まんが道と無差別銃殺犯/丸尾末広『アン・グラ』感想

wikipedia情報だけど、16歳の時に上京して職を転々としたりという自伝的な内容と虚構を混ぜて描いた漫画。著者の分身が鬼太郎そっくりだったり、水木しげるやつげ義春のパロディをしながら著者自身が漫画家になるまでを描くというような、最初は軽...
ゲーム

純度100%のニンテンドー映画/『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』【ネタバレあり】

任天堂のゲーム「マリオ」シリーズをアニメ映画化。5月1日現在、全世界で興行収入10億ドル以上を叩き出しており、マリオというキャラクターのIPとしての強力さを証明している。 アクションシーンはすべてマリオシリーズやマリオカートへのオマージュに...
映画

汝の隣人を愛することが全人類を救うことになる/『ノック 終末の訪問者』感想【ネタバレあり】

M・ナイト・シャマラン監督の最新作。嫌いな作家ではないのでいちおう新作はチェックしとかないと。原作はポール・G・トレンブレイの小説『終末の訪問者』。 ストーリーは、2人の父親と娘が山小屋で休暇を過ごしているところに4人の見知らぬ男女がやって...
未分類

他者を救うことは可能か? 救いをめぐる四角関係/『ザ・ホエール』感想【ネタばれあり】

「神巨(おほい)なる魚(うを)を創造(つく)り給(たま)へり」                 ――創世記 メルヴィル『白鯨(上)』八木敏雄訳(岩波文庫)p.24 「海の鯨も神の声に従う」                ――『ニュー・イング...
映画

『自由意志の向こう側』を読んで考えたこと、あるいは『TENET テネット』論

木島泰三『自由意志の向こう側』の感想をtwitterで共有したら著者ご本人からリプライをいただいた。光栄かつ恐縮なことだったけど、自分が考えてることをぶつけるのは畏れ多すぎるので、ここに書いておく。 ニール:世界を救ったんだ。偶然に起こった...
映画

ちょっと変わってるけど喪失感と哀愁に満ちたハードボイルド/『PIG/ピッグ』感想

ニコラス・ケイジ主演で、大事にしていた豚を奪われた主人公がその豚を取り戻しに行く話と聞いて、ニコラス・ケイジがそこらへんにいる人を手当たり次第にぶちのめす映画かと思って観てみたら、なんと静謐なハードボイルドだった。 ニコラス・ケイジ演じるロ...
映画

奇妙で愛らしいメタ映画/『マッシブ・タレント』感想

この映画はニコラス・ケイジがニコラス・ケイジ本人を演じるコメディ映画だ。といっても、演じられるのは現実のニコラス・ケイジではない。われわれが映画やプライベートからイメージする「ニコラス・ケイジ」……オーバーアクティング気味のハイテンションな...
読書

ドストエフスキー『作家の日記3』小沼文彦訳(ちくま学芸文庫)と中編「柔和な女」読書メモ

『作家の日記』4,5,6と読んでもういいかと思ってたんだけど、収録されてる中編「柔和な女(やさしい女)」を読んどかないとと思って。あいかわらず政治評論には反発しか感じないけど、激しい主張のエネルギーがぴりぴりとページから伝わって充電されるよ...
読書

内田百閒『王様の背中』読書メモ

ツイッターのタイムラインにふかりふかりと流れてきたツイートがきっかけで読んだ。 「王様の背中」というショートショートに近い短い童話集とゲーテの作を翻案したらしい「狐の裁判」が収録されている。 前半の「王様の背中」は、教訓やオチもないシュール...
スポンサーリンク