読書

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映画

科学とフェミニズムと娼館と社会主義/『哀れなるものたち』感想と考察

アラスター・グレイの同名原作小説を、『ロブスター』や『聖なる鹿殺し』のヨルゴス・ランティモスが映画化。 BORN SEXY YESTERDAY(無知でセクシー)? 主人公のベラ(エマ・ストーン)は最初、体は大人だが脳は赤ん坊の状態で、面白半...
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理想と現実、希望と絶望、あの世とこの世/松本大洋『東京ヒゴロ』

「サンデーマンガ俱楽部」で『東京ヒゴロ』について語ってるのを聴いて自分も語りたくなってしまった。 『東京ヒゴロ』が描く世界は2つに分かれている。 自分の理想の漫画雑誌を作るために奔走する塩澤と、彼の古巣である出版社で働く編集者や週刊誌に連載...
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2023年読んだ本まとめ

2023年読んだ本は、図書館で借りた本が多くて新刊が少なかった。返却期限に追われて買った本は積読になってしまうことが多かった。 小説 小説のベストは『哀れなるものたち』。 といってもあとは『アルファ系衛星の氏族たち』とか『ティーターン』とか...
映画

性差別主義は理論武装し、ミソジニーは棍棒を振り回す/ケイト・マン『ひれふせ、女たち ミソジニーの論理』を読む

SNS上での女性へのいやがらせから、ヒラリーなど女性政治家への反感、女性を標的にした無差別殺人まで、それらの背後にある統一的な概念とはなんなのか、説明できるようにしてくれる本である。 その概念がミソジニーである。ミソジニーは女性嫌悪あるいは...
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SFとファンタジーとジェンダー・トラブル/ジョン・ヴァーリィ『ティーターン』

主人公は土星の衛星探査に向かうリングマスター号の女性船長、シロッコ・ジョーンズ。リングマスター号の乗組員たちが未知の物体を探査するSFであり、一風変わった"ファンタジー"冒険ものでもある。 リングマスター号は土星の衛星軌道上に新しい衛星を発...
映画

最新作までの軌跡を読む/宮﨑駿『続・風の帰る場所』

渋谷陽一による2008~2013年までのインタビューに加え、ジブリ設立直前のタイミングで行われた、『未来少年コナン』やマンガ映画について語った富沢洋子によるインタビューと、長編監督デビューまでを総括したアニメージュ編集部によるインタビューも...
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浅野千恵「潜在的商品としての身体と摂食障害」(江原由美子編『性の商品化』収録)を読む

読み始めはなんで摂食障害? と思ったけど、摂食障害患者の9割が女性で、摂食障害とは女性の病気なのだった。 現在の〈性の商品化〉のありようは、商品化のターゲットとなっている若い女性たちに、自分自身の身体をあるがままに肯定的に受け入れることを困...
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ダニエル・C・デネット、グレッグ・D・カルーゾー『自由意志対話』感想

両立論を主張するデネットとハード非両立論を主張するカルーゾーの論戦。 2人とも決定論を受け入れていて、自由意志論者(リバタリアン)が主張するような<自由意志>は否定している。 決定論とは、たとえばドミノ倒しのように、あるドミノが前のドミノを...
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フィリップ・K・ディック『アルファ系衛星の氏族たち』感想

TVドラマ化企画が開発中だという記事を読んでおもしろそうだったので読んでみた。 アルファ星系との戦争のあと、見捨てられた衛星で精神病院の患者たちが独自の文化を形成して……という設定から『まぼろしの市街戦』を連想したけど、なんと映画公開より2...
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自由論とやっぱり『TENET』/高崎将平『そうしないことはありえたか?: 自由論入門』感想

決定論と自由は両立するか、両立論と非両立論とそれぞれに対する反論を網羅的に紹介、検討していく。日本では単著が翻訳されていないような哲学者の考え方も詳しく紹介されていてよかった。 自由の必要条件としての他行為可能性モデル(他の選択肢もとりうる...
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