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自由意志の「自由」とはどのようなものでなくてはならないか/トーマス・ピンク『哲学がわかる 自由意志 (A VERY SHORT INTRODUCTION)』感想

著者は自由意志説者として「自由」の存在を擁護する。決定論と自由意志は両立しない、という非両立論の立場だ。 決定論と自由意志は両立するという両立論の立場も存在する。この本ではホッブズが代表として挙げられている。ホッブズによれば、あらゆる出来事...
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アングラ劇風まんが道と無差別銃殺犯/丸尾末広『アン・グラ』感想

wikipedia情報だけど、16歳の時に上京して職を転々としたりという自伝的な内容と虚構を混ぜて描いた漫画。著者の分身が鬼太郎そっくりだったり、水木しげるやつげ義春のパロディをしながら著者自身が漫画家になるまでを描くというような、最初は軽...
映画

『自由意志の向こう側』を読んで考えたこと、あるいは『TENET テネット』論

木島泰三『自由意志の向こう側』の感想をtwitterで共有したら著者ご本人からリプライをいただいた。光栄かつ恐縮なことだったけど、自分が考えてることをぶつけるのは畏れ多すぎるので、ここに書いておく。 ニール:世界を救ったんだ。偶然に起こった...
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ドストエフスキー『作家の日記3』小沼文彦訳(ちくま学芸文庫)と中編「柔和な女」読書メモ

『作家の日記』4,5,6と読んでもういいかと思ってたんだけど、収録されてる中編「柔和な女(やさしい女)」を読んどかないとと思って。あいかわらず政治評論には反発しか感じないけど、激しい主張のエネルギーがぴりぴりとページから伝わって充電されるよ...
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内田百閒『王様の背中』読書メモ

ツイッターのタイムラインにふかりふかりと流れてきたツイートがきっかけで読んだ。 「王様の背中」というショートショートに近い短い童話集とゲーテの作を翻案したらしい「狐の裁判」が収録されている。 前半の「王様の背中」は、教訓やオチもないシュール...
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ティモ・ユッテン(木下頌子訳)「性的モノ化」読書メモ

『分析フェミニズム基本論文集』に収録されてた論文。 公共空間にある男性向けのエロティックな表現物がどのような理由で有害であるか論じてて、すごく参考になった。 「性的モノ化」とはどういう概念か。「道具扱い説」と「意味の押しつけ説」という2つの...
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香山リカ 北原みのり『フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか』読書メモ

サブカル・オタクを自認する香山リカ氏とフェミニストである北原みのり氏による対談本。 ワインスタインへの告発によって#metooムーブメントが盛りあがり始めた直後の2017年11月発行。トランプが大統領になった年でもある。 約5年前の本だけど...
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女性の身体、セクシュアリティ、生理に対する社会の見方にいかに偏りがあるか。/リーヴ・ストロームクヴィスト著、相川千尋訳『禁断の果実』読書メモ

そのままスタンダップ・コメディの台本になりそうな語り口で、多くの作品が舞台化されているというのも納得。今作は女性器、オーガズム、生理がテーマ。 ヴァギナというのは膣を指す言葉で、正しくはヴァルヴァ。女性器は正しい名前で呼ばれず、見えないもの...
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カーンはファウストでありメフィストフェレスである/『征服者カーン』読書メモ

MCUのマルチバース・サーガのラスボスであるカーンを主役にしたアメコミ作品。 科学が極度に発達し争いもない31世紀の世界に退屈していた青年ナサニエルはある日、カーンと名乗る人物に出会う。彼は未来の自分自身であり未来に起こる失敗を繰り返さない...
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リーヴ・ストロームクヴィスト著、よこのなな訳『欲望の鏡』読書メモ

タイトルや表紙を見かけたことがあった気がするけどスルーしてた。こんなにおもしろい本だったとは。発売されたときに読んでないことを後悔した。 現代において美とは何か、そこに働く力学はなんなのか、多面的に考察するコミック・エッセイ。 たとえば最初...
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