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映画

不条理で残酷で全知全能な神としての母/『ボーはおそれている』感想と考察

『ヘレディタリー』や『ミッドサマー』のアリ・アスター監督の長編3作目。前2作はホラーに分類されるが、本作はダークなコメディ要素が強い。こんなことあったらいやだなと思うようなことが極端化してボーに降りかかるので、観ているほうは笑ってしまう。し...
映画

特権階級を侵食する”男同士の絆”/『ソルトバーン』感想と考察

Amazon Primeにて配信。『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル監督、バリー・キオガン主演。 強烈な格差 奨学金を得てオックスフォードに入学した主人公のオリヴァー。周囲は上流階級、金持ちの家の子女ばかりで、知り合い...
映画

科学とフェミニズムと娼館と社会主義/『哀れなるものたち』感想と考察

アラスター・グレイの同名原作小説を、『ロブスター』や『聖なる鹿殺し』のヨルゴス・ランティモスが映画化。 BORN SEXY YESTERDAY(無知でセクシー)? 主人公のベラ(エマ・ストーン)は最初、体は大人だが脳は赤ん坊の状態で、面白半...
読書

理想と現実、希望と絶望、あの世とこの世/松本大洋『東京ヒゴロ』

「サンデーマンガ俱楽部」で『東京ヒゴロ』について語ってるのを聴いて自分も語りたくなってしまった。 『東京ヒゴロ』が描く世界は2つに分かれている。 自分の理想の漫画雑誌を作るために奔走する塩澤と、彼の古巣である出版社で働く編集者や週刊誌に連載...
映画

ドッペルゲンガーとすれ違う愛/『もっと遠くへ行こう。』感想と考察【ネタバレあり】

イアン・リードの同名小説の映画化で、脚本に原作者も参加している。 原作もおもしろかったけど、映像化された本作も楽しめた。 SF的ドッペルゲンガーものであり、すれちがう愛がテーマになってる。 原作を読んだ状態で観たせいかジュニア(もちろん最初...
読書

2023年読んだ本まとめ

2023年読んだ本は、図書館で借りた本が多くて新刊が少なかった。返却期限に追われて買った本は積読になってしまうことが多かった。 小説 小説のベストは『哀れなるものたち』。 といってもあとは『アルファ系衛星の氏族たち』とか『ティーターン』とか...
映画

2023年マイベスト映画と忘れたくない映画

2023年観た映画で1本だけ選べといわれたら(誰にもいわれてないけど)、『バービー』になる。 MeTooムーブメントの盛りあがり、性的暴行スキャンダルまみれのトランプがそれでも大統領に選ばれてしまったというショック、おそらくそういう流れから...
映画

性差別主義は理論武装し、ミソジニーは棍棒を振り回す/ケイト・マン『ひれふせ、女たち ミソジニーの論理』を読む

SNS上での女性へのいやがらせから、ヒラリーなど女性政治家への反感、女性を標的にした無差別殺人まで、それらの背後にある統一的な概念とはなんなのか、説明できるようにしてくれる本である。 その概念がミソジニーである。ミソジニーは女性嫌悪あるいは...
読書

SFとファンタジーとジェンダー・トラブル/ジョン・ヴァーリィ『ティーターン』

主人公は土星の衛星探査に向かうリングマスター号の女性船長、シロッコ・ジョーンズ。リングマスター号の乗組員たちが未知の物体を探査するSFであり、一風変わった"ファンタジー"冒険ものでもある。 リングマスター号は土星の衛星軌道上に新しい衛星を発...
映画

禁欲的で虚無的な物語/『ザ・キラー』感想と考察

デヴィッド・フィンチャー監督、マイケル・ファスベンダー主演。 いままで一度も失敗したことがない凄腕の殺し屋である主人公だが、暗殺に失敗したことで逆に命を狙われることになる。巻き添えで暴行を受け重体になった恋人の復讐と身の安全のため、自分を狙...
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